良好な水環境の創出は、地域の人々の豊かな暮らしのためには必須のものです。これまでの日本では、国土の多くを占める山地源流域と、そこにもたらされる豊富な降水量に加えて、包括的で強固な水道インフラの整備によって、良好な水資源とそれを取り巻く水環境は保持されてきました。しかし近年では、インフラの老朽化が進む中、気候変動は激しさを増し、自然災害にともなう水資源・水環境の危機に度々さらされています。 2018 年に発生した西日本豪雨災害時には多くの水道施設が被災し、呉地域では上水道の供給が 1 週間程度停止しました。また、東日本大震災の際には津波による被災で数か月も断水が続いた地域があり、現在の能登半島地震においても、水供給不足に直面しています。
このように、災害も多く気候変動影響下にある日本において、非常時を含む持続可能な水利用とそれを取り巻く水環境の保全は重要な課題といえます。今回は、 2030 年を達成目標とする SDGs (持続可能な開発目標)も念頭に置きつつ、東広島を中心に地域ベースの視点で「良好な水環境の創出(里水)」のための現状の課題を共有するとともに、将来に向けての展望について議論を行うことを目的とします。
プログラム
第1部 東広島の水環境について
13:10~13:30
基調 講演① 「東広島の水とその価値」
淺野敏久(広島大学人間社会科学研究科教授、西条・山と水の環境機構 運営委員長)
13:30~13:55
基調講演②「東広島の水循環と地下水環境」
小野寺真一( 広島大学先進理工系科学研究科教授、西条・山と水の環境機構 運営委員)
第2部 水循環・水環境管理について
14:05~14:25
基調講演③「環境省の良好な水循環を保全・創出する事業について」
長谷川史明(環境省水・大気環境局環境管理課 課長補佐)
14:25~14:50
基調講演④「鳥取県の水環境保全に関する取り組み」
九鬼貴弘・成岡朋弘(鳥取県衛生環境研究所)
パネルディスカッション「今自分たちができること」
モデレーター:西条・山と水の環境機構
小野寺真一(広島大学 教授)
コメンテーター:小倉亜紗美(呉高専)、山田芳雅(合社ひとむすび),
パネラー:講演者
□チラシ