2024年5月29日、西条・山と水の環境機構では、龍王山にてドローンを活用した空中調査を実施しました。今回の調査では、オルソ画像およびライダー(LiDAR)センサーによる点群データを取得しました。

調査には、DJI社製Matrice 350 RTKにZenmuse L2センサーを搭載した機体を使用し、精密な三次元点群データを取得しました。また、オルソ画像の撮影にはDJI社製Mavic 3 Enterpriseを使用し、高解像度かつ位置補正された画像を取得しました。

オルソ画像とは、空中から撮影された写真をコンピューターで補正し、地形のゆがみを取り除いた正確な地図画像のことです。植生の分布や地形の変化を詳細に把握でき、地図としても利用可能な精度を持ちます。
点群データは、ライダーセンサーにより取得された膨大な三次元座標の集合で、森林の高さ・密度・地形の起伏などを立体的かつ精密に捉えることができます。これにより、従来の平面的な地図では見えなかった森林の構造や変化を科学的に分析することが可能になります。



今回得られたデータをもとに、今後は大学などの研究機関と連携しながら、龍王山の植生の変化や保全の在り方について調査を進めていきます。
また、このような最新技術による森林調査の様子は、地域の子どもたちにも紹介しており、環境保全の重要性や先端技術の活用について楽しく学ぶ機会となっています。子どもたちは、普段見ることのできない“山の中身”を映像で見て、科学の力への驚きと興味を示していました。
西条・山と水の環境機構では、これからも地域と協力し、美しい水と緑を未来に引き継ぐための活動を続けてまいります。